ホンダのディーゼルエンジン開発


だいぶ前のことだが、ホンダの社長が一人の技術者にあなたは明日からディーゼルエンジンの開発をしてほしいと告げられ、技術者は左遷ですかと聞いた。社長は左遷ではない。これからはディーゼルエンジンの時代になる。だから君にぜひとも開発してもらいたいのだといったという。その当時ホンダはディーゼルエンジンをいすゞ自動車からOEMで調達し、自社の車に搭載し、ヨーロッパで販売していた。その当時ヨーロッパではディーゼル車が日本では考えられないほど売れていた。だからディーゼルエンジンを開発し、何としてもヨーロッパでの拡販したいと思ったに違いない。F1に参戦しホンダの黄金時代であった事も関係していると思う。 その時、ホンダが目指したディーゼルエンジンはその当時、開発不可能と言われた方式を採用した。それを見事開発に成功した時には、米国で大きく報道されたが、日本ではほとんど話題になることはなかったことを記憶している。その後、量産化を試みたが、どうしてもコストを下げることができず、最終的に断念することになった。だが、ヨーロッパではディーゼル車が飛ぶように売れていた。フォルクスワーゲン製造会社が2015年には屋台骨を揺り動かすスキャンダルである「排出ガス規制不正問題」が起こり、多額の賠償金の支払いを余儀なくされただけでなく、ブランドイメージの失墜を招き、いくつかの市場では深刻な販売台数低下を招いたことは御存じと思います。そのときにホンダがディーゼルエンジンの開発を断念したことが正しかったことが証明された。 N22Bで採用したNOx触媒でTierIIBin5をクリアしたホンダの次の一手がN16Bの1.6?のダウンサイジングディーゼルエンジン。



N22B


N16B