大井宿は西に難所十三峠を控え、岩村街道、秋葉道、下街道と交差し、善光寺、伊勢神宮、熱田神宮への参拝客、尾張へ向かう商人や牛馬荷物の往来で賑わい、美濃十六宿中で最も繁栄した。宿並は横町、本町、竪町、茶屋町、橋場の五町と六ケ所の析形で構成された。1843年の中山道宿村大概帳によると大井宿の宿内家数は110軒、うち本陣1、脇本陣1、旅籠41軒で宿内人口は496人(男245人、女221人)。
雪の降りしきる中、2組の商人と馬子と馬が黙々と勘平坂を登って行く。街道脇の松の木、降り積もった雪で白一色である。