庚申とは、人が庚申の日に熟睡すると、人間の体内にいる三尸虫という虫が体を抜け出して天に昇り、天帝にその日の日常の罪科を告げ、天帝はその人の死期を早めると言われています。そのため、庚申の日に人々は集まって一睡もしないで夜を明かすようになりました。これを7回続ければ三戸虫は超絶するといわれ、無事7回続けて結願した時に建立されたものが庚申塔になります。庚申塔には「庚申塔」「猿田彦大神」など文字が刻まれたものの他に「青面金剛」という尊像を刻んだものがあります。庚申の申がさると読めることから、猿田彦大神と結び着いたようです。猿田彦大神は天孫降臨の時に道案内をした神様であり、また青面金剛とは病気や悪魔を払う仏で、一面四臂(中には一面六臂あり)手には宝輪・宝剣・予・弓・矢、そして三尸虫などを持ち、邪鬼を踏み付けた形であらわされます。そして、青面金剛の上部には日輪と月輪が、足下や左右に雌雄の二鶏、台座などに見ざる言わざる聞かざるの三猿が刻まれています。これから先、中山道を歩くなか、そこかしこで庚申塔を見つけることになるでしょう。