蕨宿は1612年の開設、江戸に近い為、素通りの旅人が多かったが、戸田の渡しを控え、一旦川留めになると大いに賑わった、戸和宿と同様にウナギが名物。地名の「蕨」は蕨が燃えるさまの「蕨火」に由来している。1843年の中山道宿村大概帳によると、宿内家数は430軒うち本陣2、脇本陣1、問屋場1、旅龍23軒、宿内人口は2,223人(男1,138人、女1,815人)で宿並は10町(約1.1km)。
渡し船には行商人や旅人たちに混じって、馬も同乗している。対岸にあるよしず張りは船頭小屋で、川を渡れば戸田村である。